Fesseln Ensemble - Since 1997 -
Concert1998 ロマンティックコントラスト
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/// プログラム
1998.1.11(Sun) 14:30〜
西宮市夙川公民館
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/// プログラム
− Greeting −
 本日の演奏会のタイトルは、"ロマンティック コントラスト"です。(ロマンティック コンサートと早とちりしてしまう人が多いようですが。) ロマンティックとコントラスト、これが本日のテーマです。
 ロマンティック。これは音楽や美術の分野では、ロマン派のという意味を表します。ロマン派とは、音楽では19世紀、具体的にはベートーベンの後の時代を指します。本日の演奏会はそのロマン派というものをテーマにしたいと思っています。もちろん、空想的なとか夢のようなといった、英語の辞書的な意味も持ち合わせていますが。
 コントラスト。こちらは日本語で対照・対比という言葉が当てられますが、本日のプログラムでは、たくさんのコントラストを楽しんでいただきたいと思っています。メンデルスゾーンでは同じクラリネット同士の対比を、シューベルトではクラリネットとソプラノを、ウエーバーとモーツアルトは同じクラリネット五重奏というジャンルをそれぞれ対比させていきます。さらにウエーバーとモーツアルトでは、クラリネットは調整の違う楽器を用いています。ウエーバーでは明るく明朗なB管、一方モーツアルトでは響きの重厚な少し暗めのA管を使っています。これらもコントラストできると思います。
 さて、今日の日本は情報化社会と言われ、あらゆる情報が居ながらにして入手できます。それは、言い換えると情報過多でもあります。また、同時に多くの情報に惑わされて真実を見失ったり、自分の目で確かめたりすることをしなくてもすむということでもあります。音楽も例外ではありません。曲にまつわる多くの情報やCDなどは時に私たちを惑わします。多くの情報を手に入れ、多くのCDを持ちその曲を知ったつもりになります。今の音楽はそのほとんどが頭でっかちになっています。音楽は知っている知らない・分かる分からないではなく、あなた個人が好きか嫌いかです。それでいいのです。自分の心と耳で聞いてください。本日のプログラムは実にバラエティに富んでいます。その中で、自分の気に入った曲を、あるいは楽章を、あるいはフレーズを一つでも持って帰ってください。それが音楽の本当の楽しみ方だと思います。眠たくなったら、寝ていてください。それもまた、音楽の一つの楽しみ方です。決して、分かろうとはしないでください。好きな音楽見つけ、好きな音楽を心で味わってください。
 本日は、ご来場くださいまして誠にありがとうございます。本日、私たちは、心からメッセージを伝えます。どうぞ、頭でなく心で味わってください。
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/// プログラム
− Program −
メンデルスゾーン F. B. Mendelssohn
Koncertstuck fur 2 Klarinetteen in B und Klavier Nr.1 f-mol op.113
I . Allegro con fuoco
II . Andante
III . Presto
クラリネット : 橋本 頼幸 クラリネット : 永山 烈
ピアノ : 梅田 愛美
シューベルト F. Schubert
Der Hirt auf dem Felen D.956 fur Sopran, Klarinette und Klavier
ソプラノ : 山口 知子 クラリネット : 橋本 頼幸
ピアノ : 梅田 愛美
<Intermission>
ウエーバー C. M. v. Weber
Quintett fur Klarinette, 2Violinen, Bratsche, und Violoncell B-dur,
   op.34
I . Allegro
II . Fantasia. Adagio ma non troppo
III . Menuetto. Capriccio presto
IV . Rondo. Allegro gioccoso
クラリネット : 橋本 頼幸 第1ヴァイオリン : 岩本 友理子
第2ヴァイオリン : 宮木 義治 ヴィオラ : 小西 喜代美
チェロ : 有澤 直美
モーツアルト W. A. Mozart
Quintett fur Klarinette, 2Violinen, Bratsche, und Violoncell A-dur
   K.581
I . Allegro
II . Larghetto
III . Menuetto
IV . Allegretto con Variazioni
クラリネット : 橋本 頼幸 第1ヴァイオリン : 宮木 義治
第2ヴァイオリン : 岩本 友理子 ヴィオラ : 小西 喜代美
チェロ : 有澤 直美
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/// プログラム
− Program Notes −
メンデルスゾーン
 メンデルスゾーン(1809-1847)は、2本のクラリネットとピアノのための小品を2曲書いている。元々原曲は、クラリネットとバセットホルン(クラリネットより少し大きいクラリネット族の楽器)のために書かれてある。この第1番をH.ベールマンに、第2番をH.ベールマンの息子C.ベールマンに捧げられている。ベールマンは19世紀に活躍したクラリネットも名手である。さて、この曲は1833年メンデルスゾーン24歳の時の作品である。その頃には、「交響曲第5番<イタリア>」も完成している。この曲の見所は、2本のクラリネットの会話のようなやり取りと華やかな技巧である。
シューベルト
 シューベルト(1797-1828)も説明の必要がないほど有名な作曲家である。特に、歌曲(リート)の分野では数多くの曲をその短い生涯の間に残している。しかし、この曲のようにクラリネットのような他の楽器の伴奏を持つリートは珍しい。シューベルトは、即興詩人である。つまり、彼は詩に対したとき、瞬間的にその感動を音楽に移すタイプの作曲家である。彼のリートはそのように、泉のようにわき起こった音楽であり、十分に検討を重ねられ組み上げられたものではない。しかし、だからといって音楽的に未熟なわけではなく、むしろ直接的に聞く者の心に訴えるものがある。 歌詞はドイツ語で、W.ミュラーとH.v.シェジの詩をつなぎ合わせたもの。前半は岩山に立ち歌を歌う風景を、中間部は失恋の悲しみを、後半は春の訪れを綴っている。
ウエーバー
 ウエーバー(1786-1826)はクラリネット奏者の重要なレパートリーである。ウエーバーは生涯11曲の室内楽曲を作曲しているが、その5曲までもがクラリネットを活用している。また、クラリネットの協奏曲も3曲残している。クラリネットの名曲を残したモーツアルトやブラームス同様、ウエーバーもまたクラリネットの名手の親しい友人がいた。ウエーバーの場合は、H.ベールマンである。(前述のメンデルスゾーンに出てきたベールマンと同一人物である。)1815年ミュンヘンで完成したこの五重奏曲は、クラリネットを独奏楽器のように扱い明確な形式の中に実に自由に、活発にクラリネットを活躍させている。また、オペラ作家らしいロマンチックな美しさ、迫力のある劇的な効果、アリアのような旋律といった、ウエーバーの魅力が凝縮された名作といえる。
第1楽章;アレグロ
弦楽器から始まる冒頭の主題には、オペラの導入部のような雰囲気がある。この楽章は、クラリネットの協奏曲のようなつくりになっている。クラリネットの大活躍する楽章である。
第2楽章;アダージョ・マ・ノン・トロッポ
ファンタジア(幻想曲)と記されているとおり、美しい旋律とドラマチックな展開、そして何より、クラリネットの能力を余すところなく使った楽章になっている。
第3楽章;メヌエット
カプリチオ(狂想曲)と記されている。優雅さと軽快さをたしあわせたような陽気さを持っている。中間部のトリオは、一段と陽気さを増す。クラリネットと弦楽器の生き生きとした対話が織り込まれている。。
第4楽章;アレグロ・ジオコーソ
軽快な弦楽器の中に、クラリネットが音階で主旋律を綴っていく。クラリネットと弦楽器が互いに協調しあいクライマックスを迎える。
モーツアルト
 さて、本日のテーマはロマン派の音楽であるのに、どうしてモーツアルトが出てくるのか。音楽史に詳しい人ならそのような疑問を抱くであろう。前出の3人の作曲家は、当然ロマン派(ドイツロマン派)の作曲家である。しかし、モーツアルトは古典派の作曲家である。そのことに対しては何ら異議を唱えるつもりはない。ここで、どうしてこの曲をロマン派の音楽に含めたのか。それは、この曲の中には次にくるであろうロマン派音楽のエッセンスがふんだんに含まれているからである。長調でありながら短調的な響き、旋律と和音の自由な取り扱い、それらは次の世代を予感させるものになっている。 モーツアルトはA.シュタットラーというクラリネットの名手と親友であった。他の作曲家がそうであったように、
モーツアルトもまたこの曲を名手シュタットラーのために書いている。しかし、モーツアルトは晩年金銭的に困窮していた。シュタットラーはモーツアルトに金銭的な援助していたと考えられる。この五重奏もいくらかのお金と引き替えになっていたであろう。お金のために書いたにしては全く良くできた曲である。改めてモーツアルトの偉大さを感じてしまう。
第1楽章;アレグロ
この曲もまた、弦楽器の魅力的な旋律から始まる。ソナタ形式の中で自由な展開をする。
第2楽章;ラルゲット
モーツアルトらしい実に美しい旋律とクラリネットとヴァイオリンのやり取りが絶妙。
第3楽章;メヌエット
2種類のトリオを持つ。初めのトリオはクラリネットが出てこない。
第4楽章;主題と変奏 アレグレット
明快な主題とバラエティに富む変奏曲。
(Y.Hashimoto)

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/// プログラム
− Members −
橋本 頼幸(Yoritaka HASHIMOTO) ; クラリネット
 パパとはどんな人か。今日のプログラムの全曲にでてる人?(なんて無謀な・・・。去年で懲りたのではなかったのか。)でも、実はまめな人なのである。プログラムの設定、ホールの予約、練習場の確保 etc.はすべて彼一人の仕事であった。(誰か手伝ったれよ。)本当にお疲れ様でした。ところで、彼はめでたく設計事務所に就職が決まった。もうすでに社会に出て○十年経っているような顔をしているが、実は来年初めてピチピチのフレッシュな社会人1年生になるのである。何かがおかしい。  そんな彼とも6年のつきあいになるのだが、あと少なくとも10年ぐらいは小判鮫のようにくっついてお世話をしてもらおうかなーと思う、今日この頃である。
梅田 愛美(Manami UMEDA) ; ピアノ
 梅田さんは、前回の演奏会は譜めくり(ピアノの横で楽譜をめくる人)をしていただきました(気づいた人は通です)。今回は、ピアニストとして登場です。実は梅田さん普段は子供たちにピアノを教える先生です。時に、子供たちとクリスマス会に何をしようか悩む人です。そう、年末に出演メンバーで、クリスマス会(単に鍋をしただけ)で「1週間(ピアノを)弾いていない。」と暴言を吐かれましたが、きっとそれは、南方に旅行に行っていたからだと思います。だから、きっと今日は大丈夫ですよね。(ちなみに好みの男性のタイプは不明です。だって喋ってくれへんねんもん)
永山 烈(Atsushi NAGAYAMA) ; クラリネット
 彼と初めて出会ったのはもう5年も前のことである。以来、彼の激動する恋愛遍歴に私はさながら荒れ狂う海に飲み込まれ漂流する難破船のように翻弄され続けた。彼女が出来たと言っては前述橋本氏と共に3人で酒を飲み交わし、彼女と別れたと言っては徹夜麻雀を打ちながら彼の涙話に耳を傾けていたものだった。そんな彼も今や地元和歌山の高校教師(生物・非常勤)である。女子高生に"せんせぇー"と呼ばれ、にやけた日々を送っているらしい。しかしクラリネットに対する愛情も人一倍であり、今日はその豊かな人生経験に裏打ちされた深みのある音楽を提供してくれるであろう。
山口 知子(Shiruko YAMAGUCHI) ; ソプラノ
 私が初めて彼女にあったのは1年前のほぼこのメンバーで行われた演奏会会場でした。いろいろ話をしていて、彼女の第一印象は"明るくて楽しい人"と言った感じでした。前回チェロ奏者だった彼女は今回ソプラノとして出演します。が、そんな彼女の実体を一部お教えしましょう。彼女は、結婚式の披露宴でゴンドラに乗って登場したいらしいです。で、彼女の最近のお気に入りは、サッカー日本代表の野人岡野。好きなタイプは、背が高くて、ロンゲだそうです。未だかつて候補者がいませんので、もし本日ご来場の方で背が高くてロンゲでゴンドラに乗れる人は、メッセージカードに名前と連絡先を書いておいてください。
宮木 義治(Yoshiharu MIYAKI) ; ヴァイオリン
 大阪大学大学院所属。学問に生き、音楽に生き、そして恋に生きる男。しかし、現在の彼の姿に釈然としないものを感じるのは私だけであろうか。かつての宮木は輝いていた。酒を愛し、漫画を愛し、ゲームを愛し、そしてなにより麻雀を愛した男だった。しかし、恋が彼を変えてしまった。今の彼は、背景にバラの花を散らせながら、高校生のような恋を展開する恋愛ザルと化してしまったのである。私は断言する。今の宮木は宮木ではない。かつて宮木と呼ばれた男の残骸であると。私はかつての宮木の姿を愛した一人として万感の思いを込めて、最後の言葉を贈りたい。 流れよ我が涙。さらば、宮木義治。
岩本 友理子(Yuriko IWAMOTO) ; ヴァイオリン
 ゆーちゃんは去年の演奏会の時は、確か「はなのおーえる」をしていた。でも、去年のプログラムにもうやめるみたいなことを書いたので、会社を辞めてしまった(真に受けたらしい)。で、今は「はなの専門学校生」である。何の学校かは、想像にお任せする。本人は"専門学校生"という響きがお気に入りらしい。おーえるを辞めちゃったので収入がなくなっちゃったゆーちゃんはお金にちょっと困っているみたい(ちょっとホント)。そんなゆーちゃん、来年は結婚(!?)。(真に受けるかなぁ。)
小西 喜代美(Kiyomi KONISHI) ; ヴィオラ
 私は去年のこのコンサートで、メンバーと初めて出会い、今回が2度目。なので、きよちゃんの日常生活の怪しい(?)行動は私からはまだ闇に隠されているのですが、練習風景からかなりしっかり者のように見受けられる。合わせの時、私の毎回変わる弾き方も横で指摘してくれます。一見、おとなしいイメージだけど、周りの音も意見もよく聞いていて感性豊かな感じ。そして、もともと聞こえづらい音域を担当しているのですが、彼女のヴィオラは幅広い音もでて支えられるし、チェロともよくあう。まさしく彼女自身がヴィオラの役割みたいなものを持った人です。
有澤 直美(Naomi ARISAWA) ; チェロ
 有澤さんは、しっかり者のお姉様です(きっと)。でも、暑いのにはちょっと弱いらしく、夏はぼーっとしています。(ゆ)「ここ、これでいいですか?」(有)「えっ、ごめん。ぼーっとしてた。」といって聞いてないことがよくあります。だから演奏会は1月なのです(ウソ)。で、有澤さんがどのくらいしっかり者かというと、有澤さんはたいていの人は長女だと思ってしまうほどです(初めのうちは)。でも長くつきあっていると、たいていの人が末っ子だと認識を改めてしまうことも付け加えておきます。
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本当は、
 演奏会を続けるかどうかは、昨年の演奏会の様子を見て、決めるつもりでした。昨年多くの人に来ていただいて、多くの人の温かい励ましや感想を頂きました。そして、そこでまた挑戦する勇気と力を皆様から頂きました。私たちは、これからも音楽を続けていきたいと思っています。皆様が私たちに与えてくれた勇気や力を、私たちの演奏によってお返ししたいと思っています。皆様が私たちの演奏会にいらして、少しでも良かったなぁと思っていただけたら、それが私たちの次への希望となります。

最後になりましたが、

 本日の演奏会のために、惜しみなく指導していただきました、大阪フィルハーモニーの永瀬和彦先生および田中賢治先生、応援して下さいました多くの皆様、そして本日来ていただきました多くの方々に感謝の意を表します。

また、来年お会いしましょう。
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