Fesseln Ensemble - Since 1997 -
/// プログラム
2000.2.20(Sun) 14:30〜
大阪市立弁天町市民学習センター
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− Greeting −
 みなさんはどんな2000年代をお迎えになりましたか?昨年末は思い出したように“2000年問題”で盛り上がり、食糧を備蓄して迎えた方もおられるでしょう。いずれにしても、1000年に一度の貴重な体験をして、気持ち新たに迎えられたことでしょう。
 さて、本日のテーマは、「千載不磨」です。手元の辞書によると意味は、「千年も消えないこと。いつまでも不朽なこと。」となっています。現代の私たちの生活はものがあふれ豊かになり、一見“千載不磨”なものがたくさんあるように思ってしまいがちです。それは、技術の進歩により複製や保存がたやすくなり、あらゆるものが簡単に手に入れることができるようになったからかもしれません。音楽においても録音や複製技術などは、私たちと音楽とのつきあい方を変えるほどの勢いで進歩しています。例えば、CDやMDなどのデジタルで録音されたものは、何回再生しても劣化しません。いつでも、どこでも、好きなときに、何回でも、誰もが同じように聞くことが出来ます。では、これらは“千載不磨”なものでしょうか。また、近年はコンピューターなどを使えば、たとえオーケストラの曲であってもたった一人で、自分の思うような演奏を再現することが出来ます。これは“千載不磨”なものでしょうか。
 また、200年前のモーツアルトやベートーベンの音楽はどうでしょう。それがいくら名曲といわれている音楽であっても、時代や聞き手や奏者によって評価は様々であり、必ずしも“千載不磨”なものとは言えないのではないでしょうか。
 では“千載不磨”なものとは何か。それは、人と人とが“生”でふれあう中に生まれた“現実”だけではないでしょうか。演奏者と客席が一つになり、響きあって生まれた、“時間(音楽)”だけが本当に不朽なものではないでしょうか。なぜなら、演奏会において同じ音楽を共有したということは、奏者にとっても聞き手にとっても“現実”であり、その場にいる人全員が“自分の体験”だと確信できる共通の認識だからです。この“認識”や“体験”こそが、千載不磨なものではないでしょうか。それは決して、いつでも、どこでも、好きなときに、何回でも、だれでも、同じ体験のできるものではありませんが。たとえ世の中が進歩して“よりリアルな体験”ができるようになったとしても、“リアル(現実の体験)”に勝るものはないでしょう。
 本日はご来場くださいまして誠にありがとうございます。みなさんと一緒に、“千載不磨”な音楽を共有したいと思っております。最後まで、どうぞごゆっくりお楽しみください。
橋本頼幸
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− Program −
シュターミッツ Carl Stamitz (1745-1801)
Quartett Es-dur op.8-4 für klarinette, Violine, Viola und Violoncello
I . アレグロ: Allegro
II . アンダンテ: Andante
III . ロンド: Rondo
クラリネット : 永山 烈 ヴァイオリン : 宮木 義治
ヴィオラ : 小西 喜代美 チェロ : 山口 知子
モーツアルト Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
Quartett in A dur Kv 298 für Flute, Violine, Viola und Violoncello
I . 主題と変奏、アンダンテ: Thema und Variationen, Andante
II . メヌエット: Menuetto
III . ロンド、アレグロ・グラティオーソ:
Rondeau. Allegretto grazioso
フルート : 舩橋 順 ヴァイオリン : 宮木 義治
ヴィオラ : 小西 喜代美 チェロ : 山口 知子
< 休憩 〜 Intermission 〜>
R.シュトラウス Richard Strauss (1864-1949)
Klaviertrio Nr.1 A-Dur o.op.AV 37
I . アレグロ・モデラート: Allegro moderato
II . アダージョ: Adagio
III . メヌエット、アレグレット: Menuetto, Allegretto
IV . アレグロ・ビバーチェ: Allegro vivace
ヴァイオリン : 宮木 義治 チェロ : 有澤 直美
ピアノ : 梅田 愛美
バーンスタイン Leronard Bernstein (1918-1990)
Sonata for Clarinet and Piano
I . グラッチオーソ: Grazioso
II . アンダンティーノ;ヴィヴァーチェ・エ・レジェーロ:
Andantino; Vivace e leggiero
クラリネット : 橋本 頼幸 ピアノ : 梅田 愛美
ガーシュイン Geoge Gershwin (1898-1937)
Three Preludes for Clarinet and Piano (arranged by James Chon)
No.1 アレグロ: Allegro ben ritmato e deciso
No.2 ルバート: Andante con mote e poco rubato
No.3 アレグロ: Allegro ben ritmato e deciso
クラリネット : 橋本 頼幸 ピアノ : 梅田 愛美
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− Program Notes −
シュターミッツ
モーツアルト
 シュターミッツは、その名をあまり聞くことはないが、作品の数は実にたくさんある。知られているだけでも51の交響曲、38の協奏交響曲、60の協奏曲、100を越える室内楽と多岐にわたる。作品はあまり知られていない一方で、父ヨハン・シュターミッツと“マンハイム楽派を代表する作曲家”として音楽史では有名である。当時のクラリネットは、あまり優れた楽器ではなかったが、“マンハイム楽派”はクラリネットを初めてオーケストラの常設楽器にする。シュターミッツは、4曲のクラリネット四重奏曲、10曲のクラリネット協奏曲をはじめ、クラリネットを主役にした作品を多く作曲している。クラリネットを初めて陽の当たる場所に引きだし、クラリネットの発展に貢献した作曲家のうちの一人である。しかし“クラリネット四重奏曲変ホ長調”についての資料はほとんど残されていない。ただ、この曲がクラリネットの特徴をよく捉えていて、その後のクラリネットの技術とクラリネットに関する作品に与えた影響は大きかったと考えられる。
 一方、モーツアルトのフルート四重奏曲はその協奏曲と並んでフルート奏者の大切なレパートリーの一つである。モーツアルトの4曲あるフルート四重奏のうち1番から3番までは、モーツアルトがマンハイム滞在中にオランダの音楽愛好家ド・ジャンから、かなりの報酬と引き替えに依頼され作曲したものである。しかし、モーツアルトは当時の音程の定まらなかったフルートを好まなかったらしい。フルートのことをモーツアルトは「耐え難い楽器」と呼んでいる。4番目のフルート四重奏曲イ長調だけはド・ジャンの依頼とは関係なく作曲されている。この曲は社交的な演奏会のために書かれたものらしい。そのため、使われている主題に1770〜80年代パリやウィーンで流行したよく知られた旋律を用いた娯楽的な音楽になっている。「耐え難い楽器」のために書いたとはいえ、天才モーツアルトの手にかかるとここまでの名曲になるのかと感心させられる。
R.シュトラウス
バーンスタイン
ガーシュイン
 さて後半は、20世紀の音楽に焦点を当てたい。といってもR.シュトラウス、バーンスタイン、ガーシュインで激動の20世紀を代表するには十分でない。しかし、その一端をかいま見るには十分である。
 R.シュトラウスは、20世紀を代表する最初の作曲家と言っても過言ではない。しかしピアノトリオ第1番は、ほとんどその存在を知られていない。主要作品集の中にもその名前を見ることはない。彼は、この曲を1877年、若干13歳の時に作曲している。この翌年にピアノトリオ第2番を作曲しているが、この2曲のピアノトリオは若きシュトラウスが作曲の練習のために書かれたものと考えられる。リヒャルトは、ホルンの名手だった父フランツから古典音楽の(特にドイツ音楽)の厳格な教育をうける。この作品は、バッハ・ベートーベン・ハイドン・ブラームスなどの音楽様式を深く研究していることが伺える。その一方で、20世紀を代表する大作曲家シュトラウスらしさを予見させる。
 一方、バーンスタインとガーシュインの共通点は“アメリカ人”であるが、それ以外にも彼らの共通点は多い。ユダヤ系民族であること、生家は決して裕福ではなかったこと、両親に恵まれなかったこと、西洋音楽(クラシック音楽)にとらわれなかったこと、ミュージカルの作曲も多く手がけたこと、など。そういった意味で、新世界(アメリカ)という新しいカテゴリー(分類)の代表かもしれない。バーンスタインがクラリネットソナタを作曲したのは、カーティス音楽院で学んだ直後の1941年、23歳の時である。当時まだ無名であったバーンスタインは旅行先でこのクラリネットのためのソナタを作曲する。この作品について後の彼は「クラリネットソナタは初めて出版された作品と言うこともあって、特別に愛着のある作品だ。学生的な要素があるが、この作品にはいつも誇りを感じてきた。」と回想している。
 “3つの前奏曲”は1926年にまとめられ翌年出版されている。“ラプソディ・イン・ブルー”も初演され、数多くのミュージカルも手がけていたその頃のガーシュインは、すでに売れっ子作曲家だった。元々6曲あったピアノ曲の中から3曲が「ピアノのための前奏曲」として出版された。この作品はガーシュイン唯一のピアノ独奏曲である。ガーシュインの作品は色々な可能性をもっている。オリジナルのピアノ独奏も一つの作品であるが、クラリネットとピアノに編曲することによって新たな作品に生まれ変わる。それが、あたかもクラリネットのために書かれたかのような響きになる。クラシックやジャズといった音楽の枠組みを越えた、ガーシュイン作品の奥の深さを見せてくれる作品である。
(Y.Hashimoto)

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− Members −
有澤 直美(Naomi ARISAWA) ; チェロ
 2年ぶり3度目の出演の有澤さんは、ぼくよりちょっぴりおねーさんだ。親不知を抜いて練習で「今日、音、変じゃない?」って聞いたとしても、ちょっぴりおねーさんであることには変わりない。奈良の天理というところから、えっほえっほ「ちぇろ」という楽器をかついでやってくる。でも、おねーさんなのである。しっかりしているところもあり、ボーとしているところもあり、どっちが本当なのかぼくには分からない。けど、おねーさんなのです。今日は、きっと、しっかりしている方のおねーさんだとぼくは思う。
梅田 愛美(Manami UMEDA) ; ピアノ
 彼女は普段ピアノの先生をしています。その外見からはとってもおとなしい人なのかなーって感じがしますが、実際は結構情熱的な一面をもっています(こと音楽に関しては)。練習中、曲の難所にさしかかって何度も止まってしまうと”なんでー”といって悔しがります。でも次の練習までにはきっちりとクリアしてくるあたりはさすがだなーっと感心します。今回のプログラムもピアノにとってけっこう難曲ですが、きっと華麗に演奏してくれることでしょう。(楽譜見てたらよくこんなの弾けるなーって感心します。)
小西 喜代美(Kiyomi KONISHI) ; ヴィオラ
 きよちゃんはほんとにすごい人である。おととし結婚し、昨年は長男が誕生し、でかい子供ダンナの世話に追われながら、家事・育児・仕事・ビオラ奏者をこなし、決して笑顔を絶やさず、いつも穏やかな口調で話す。自宅でメンバーが飲み会をしたときも、たとえ誰かがビールを吹き出しても決して怒らず、たとえ汚れ物をたっぷり残してみんなが帰ってしまっても、ひとり黙々と洗い物をこなす。不平を言わず、泣き言を言わず、言い訳をせず、いつも静かに頑張っている。 こういう人に私はなれない。
永山 烈(Atsushi NAGAYAMA) ; クラリネット
 永山さんは、今回初めて、弦楽器とのアンサンブルに挑戦しました。しかも、あまりなじみのない作品で、CDもなく、メンバー全員とっても苦労していました。そして、スコアもなかったため、彼はパート譜を写譜して、スコアを作ったのでした。さらに今回の演奏会に合わせて、楽器も買い替えました。こうして、書いてみると改めて永山さんの演奏会に対する意気込みがうかがえます。
 今日は、その成果が充分発揮できるような演奏をおきかせできるか、お楽しみに。
橋本 頼幸(Yoritaka HASHIMOTO) ; クラリネット
 我らのリーダー橋本氏は、とっても忙しい人です。休みの日に仕事が入ることもしばしば。去年、1級建築士の試験に合格して(おめでとうございます!)、ますます忙しい毎日を送っているようです。学生時代からのニックネーム”パパ”が本当のパパになってから早1年。最愛の息子、信歩くんも、この2月に1歳の誕生日を迎えました。仕事が忙しくても、「演奏を続けていきたい」という彼の音楽に対する情熱のおかげで、今回もこうして演奏会を迎えることができました。感謝・感謝です!
舩橋 順(Jun FUNAHASHI) ; フルート
 彼はメンバーの中で二人いる学生のうちの一人である。26を過ぎていまだに学生をやっているのだから、相当に勉強が好きな人なのであろう。しかし、割と律儀である。締め切りや待合せ時間にはかなり正確である。時々、学生だから時間があるんだろう、と思ったりもする。でも、もう一人の学生は忘年会の日程を忘れて自宅でくつろいでいるようなこともあった。だから、学生だからという理由は違うのだろう。性格なんだろう。きっと今日も律儀なフルートを聞かせてくれるに違いない。
宮木 義治(Yoshiharu MIYAKI) ; ヴァイオリン
 宮木君は、マイペースで口数少なめだけど毎回着々と確実にレベルを上げてきていてひそかに頼れる人です。普段は落ちついている彼ですが“痛み”には弱いタイプだと思いますねー。年明け早々、世間ではミレニアムと騒ぐ中、2本も親不知を抜いている。その時の痛みは耐え難かったらしく、しょんぼり気味でした。ちなみに私も、最近を親不知2本抜いて頬を腫らしています。変な?共通点をもつトリオの弦楽器は、どちらのほっぺがより腫れているかも注目ですね(?)。
山口 知子(Shiruko YAMAGUCHI) ; チェロ
 私はまだ彼女の本性をつかめずにいる。ある日彼女は永山氏が練習で音程が合わなかったのを心配して友達に相談した結果、永山氏のオニュー(新品)のクラリネットがまがいものではないか?という結論に達した。それを聞いた永山氏がひどく落ち込んでいたことは記憶に新しい。彼女はきっと、めちゃくちゃ「いいひと」か、かなりの心配性か、それともただのおっちょこちょいなのであろう。本日の演奏ではどのような一面を見せてくれるのであろうか?楽しみである。
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“ありがとう!”
 そんな気持ちでいっぱいです。こうして、多くの皆様に来ていただき、「今年はいつ演奏会するの?」や「絶対行くからね」と声をかけられ、「来年も来るからね」と言われると、本当にうれしくなり、“待ってくれている人がいる”という思いが力になり、こうして4回目を迎えることが出来ました。応援してくださった皆様、本当に感謝しております。ありがとうございます。
 同時に、非常に感謝しているのが、一緒にやってくれるメンバーのみんなです。私の“えらそうで高圧的な”練習にも、不満一つ(!)言わず、よくつきあってきてくれたものだと感心しつつ、感謝しております。私を突き動かし、一緒にやってくれるメンバーをも動かし、聞きに来てくれるみなさんを共鳴させる“力”、それはまぎれもなく音楽です。今回も“音楽の持つ力”の大きさを改めて感じさせられたこの演奏会でした。
 本当に、ありがとうございました。メンバーのみなさんもありがとう。これに懲りずに、また、つきあってくださいね。

また、来年お会いしましょう。
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