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トップ  >  コラム  >  2004年  >  家は家族を造る、人を造る。

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。こま設計堂からの年賀状はこちら(小)(大)にリンクしております。


 2004年1回目の本欄は少しまじめに始めたいと思います。(といっても、今までも至ってまじめだったのですが・・・。)”「建築家」の「作品」は業界用語?”でも書きましたが、私は「家族のあり方や自分たちの暮らしを深く考えずに”家を持つ”と言うことがいつしか目的になり、マンションや建て売り住宅を買ってしまう」現状を少し不思議に思っています。今日はことのことを。


 まずそれが我が国の政策であることは間違いありません。住宅需要が冷え込むと景気が悪くなるのはこれまでの流れです。いわゆる”土建国家”と言われるゆえんです。家を買うこと・持つことを否定するつもりはありません。そのことにステータスや喜びを感じることも理解します。しかし、「家族のあり方や自分たちの暮らしを考えずに」所有することは本当にあなたやあなたの家族にとって幸せなことなのですか?


 先日自宅のマンション(賃貸)のポストにこんなチラシが入っていました。

 「あなたはいつまで家賃を払いますか?

   月10万円の家賃で20年払えば2400万円です。」


 そのチラシは、販売価格が3000万円前後の分譲マンションのチラシでした。これを見て「なるほど家賃もばからしいなぁ。」と考える人が何人もいるのでしょう。現に私のところに相談にくるお客さんにも「家賃はもったいないですし。」とおっしゃる方がおられます。もうちょっとゆっくり考えてみましょうよ。所有することにはメリットもあります。しかし、デメリットが無いというわけではありません。メリット・デメリットについてはまた改めてゆっくりお話しするとして、ローンと家賃の関係を少しだけ。


 先のチラシの例で言いますと、月10万円の返済で20年で完済するとして、ボーナス払いなしの金利2.4%だったとしても1900万円しか借りることができません。つまり2400万円払って500万円は利息となるということです。まぁ、返済期間を長くしたり、ボーナス払いや10年後に金利を上げる方式で融資を受けるともう少し借りることができますが、その分利息もたくさん払うことになりますし、借りたお金は原則返さなければなりません。その覚悟を最長35年という永きにわたって、人生の大半にわたって負わなければならないものです。


 私はFP(ファイナンシャルプランナー)の仕事をしていて時々直面するのですが、住宅ローンを抱えた人は何を置いても「ローン返済」が最優先になり、借金(?)をしてもローンを返済をするという「へんてこ」な状態に陥った人を見かけます。私に相談に来られる方には一言「家族を守ると言うことと住宅ローンを返済することは同じではないですよ。」とアドバイスします。「その家はあなたの家族を守ってくれますか?」


 話がそれましたが、ここでは住宅を所有することはメリットもデメリットもあるということだけにとどめておきます。


 さて私がここで問題提起しておきたいのは、「そこまでして手に入れた家はあなたに取ってちょうどいいものですか?」ということ。あなたは手に入れた家にあわせて生活をしているのか、あなたの生活にあった家を所有しているのか、どちらですか?


 マンションにしても建て売りにしても時にはハウスメーカーの住宅プランにしても、それは売れるための平均的な間取りやデザインに過ぎません。果たしてそれは自分たちの生活にあったものなのか、これからも自分たちの生活に家はあわしてくれるのか、もう一度考えてみませんか?


 家は家族関係を造ります。そしてそこで生まれ育った人の人間を造ります。実はものすごく重要な役割を家は持っています。家にあわせるような生活をしているとそのひずみが少しずつ大きくなり、何十年か後には取り返しのつかない結果になっている、なんて笑い話にもなりません。もし、違う家に住んでいたら考え方が変わったかもしれません。性格が変わったかもしれません。家族関係が変わったかもしれません。それが家の持つ”力”です。それでも家に家族をあわせますか?


 もちろん、もうすでにマンションや戸建てを所有しているからと言って手遅れではありません。これからできることは山のようにあります。そして、これから自分たちの家族にあった家にしていく方法はたくさんあります。それを専門家と一緒に考えていける社会になることを私は望みます。少なくとも私はそう言う事務所にしたいと思っています。


 あなたとあなたの家族にあった家はどんなものなのかを一緒に考えてみませんか?

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